遮熱塗料のデメリット|効果がないと言われる6つの理由と対策を紹介
- 投稿日:2024年 12月 2日
- テーマ:その他
遮熱塗料は、近年注目を集めている省エネ対策の一つです。
夏の暑さを和らげ、冷房の使用量を減らすことで、電気代節約や地球温暖化対策にも貢献すると期待されています。
しかし、遮熱塗料には、効果がないと言われるデメリットも存在するようです。
遮熱塗料の導入を検討している方は、その効果だけでなく、デメリットについても理解しておくことが大切です。
この記事では、遮熱塗料の効果がないと言われる6つの理由を具体的に解説し、その対策方法も合わせて紹介します。
遮熱塗料のメリットとデメリットを理解した上で、賢く選択し、快適な住環境を実現しましょう。
遮熱塗料のデメリットとは?
遮熱塗料は、太陽光に含まれる赤外線を反射することで、建物の表面温度の上昇を抑える効果があります。
しかし、中には遮熱塗料の効果を実感できないという声も耳にするかもしれません。
実際に、遮熱塗料は万能ではなく、効果がないと言われる理由もいくつか存在します。
この記事では、遮熱塗料の効果がないと言われる6つの理由を以下の項目に分けて解説していきます。
1: 性能のばらつき
2: 遮熱効果の低さ
3: 断熱効果がない
4: 塗り直しが必要
5: 塗膜の汚れによる効果低減
6: 価格が高い
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
遮熱塗料のデメリット|6つの理由を具体的に解説
1: 性能のばらつき
遮熱塗料は、素材や配合によって性能が大きく異なります。
そのため、遮熱効果や耐久性に差が生じることがあります。
遮熱塗料を選ぶ際には、性能をしっかり確認することが重要です。
例えば、遮熱塗料には、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系、無機系など、様々な種類があります。
それぞれの素材には、耐久年数や遮熱効果、価格などが異なります。
・アクリル系:耐久年数は6年程度と短く、価格も比較的安価です。
・ウレタン系:耐久年数は8~10年程度で、アクリル系よりも耐久性があります。
・シリコン系:耐久年数は10~15年程度で、耐候性にも優れています。
・フッ素系:耐久年数は15~20年以上と長く、高価ですが、優れた性能を発揮します。
・無機系:耐久年数は20~25年以上と最も長く、耐候性、遮熱効果ともに優れています。
遮熱塗料を選ぶ際には、これらの性能の違いを理解した上で、建物の用途や予算に合わせて最適な塗料を選びましょう。
2: 遮熱効果の低さ
遮熱塗料は、太陽光を反射して表面温度の上昇を抑える効果がありますが、単体では遮熱効果が低い傾向にあります。
輻射熱の反射率は、一般的に60~80%前後と言われており、すべての熱を反射できるわけではありません。
そのため、遮熱塗料だけでは、室温の上昇を完全に抑えられない場合もあります。
効果を最大限に引き出すためには、遮熱塗料と併せて、遮熱シートや断熱材などの遮熱対策を組み合わせることが重要です。
遮熱シートは、窓や屋根に貼り付けることで、太陽光を反射し、室温の上昇を抑える効果があります。
断熱材は、壁や天井などに設置することで、室内の熱を逃がさず、冷暖房効率を高める効果があります。
3: 断熱効果がない
遮熱塗料は、太陽光を反射することで表面温度の上昇を防ぐ効果はありますが、断熱効果はありません。
つまり、遮熱塗料は外の熱を中に侵入することを防ぐことはできますが、中の熱を室内に閉じ込めることはできません。
そのため、遮熱塗料を塗っただけでは、室温の急激な変化を防ぐことは難しいです。
特に、夏の暑い日は、室温が上昇しやすく、快適な室内環境を維持することが難しくなります。
断熱材は、遮熱塗料と併用することで、室温の安定化に効果を発揮します。
断熱材は、熱の伝導を阻害することで、室温の急激な変化を防ぎます。
4: 塗り直しが必要
遮熱塗料は、紫外線や雨風などの影響で劣化していきます。
そのため、定期的な塗り直しが必要です。
遮熱塗料の耐久年数は、塗料の種類や施工状況によって異なりますが、一般的には5~10年程度と言われています。
遮熱塗料の塗り直しには費用がかかります。
また、塗り直し作業には、足場を組むなどの手間も必要になります。
そのため、遮熱塗料の導入を検討する際には、塗り直しの費用や手間も考慮する必要があります。
5: 塗膜の汚れによる効果低減
遮熱塗料は、塗膜が綺麗であるほど効果を発揮します。
しかし、塗膜が汚れてしまうと、太陽光を反射する効果が低下し、遮熱効果が落ちてしまいます。
特に、外壁や屋根は、雨風やホコリなどの影響を受けやすく、汚れやすい場所です。
そのため、定期的な洗浄が必要です。
遮熱塗料の汚れは、高圧洗浄機などを使って落とすことができます。
しかし、高圧洗浄機を使う際には、塗膜を傷つけないよう注意が必要です。
また、高所作業となるため、安全にも十分に配慮する必要があります。
6: 価格が高い
遮熱塗料は、一般的な塗料に比べて価格が高い傾向にあります。
遮熱効果の高い塗料ほど、価格が高くなります。
遮熱塗料の価格は、塗料の種類や施工面積によって異なりますが、㎡あたり4,000円~5,000円程度が相場です。
一般的な塗料の価格は、㎡あたり2,000円程度なので、遮熱塗料は一般的な塗料の2倍程度の価格になります。
遮熱塗料を効果的に活用するための対策
遮熱塗料のデメリットを理解した上で、効果を最大限に引き出すためには、いくつかの対策を講じることが重要です。
1: 性能の高い塗料を選ぶ
遮熱塗料には、様々な種類があり、性能も様々です。
遮熱効果の高い塗料を選ぶことで、効果を最大限に引き出すことができます。
遮熱効果が高い塗料には、フッ素系や無機系などがあります。
フッ素系は、耐久性が高く、汚れにくいため、長期間にわたって遮熱効果を維持することができます。
無機系は、遮熱効果が高く、耐候性にも優れています。
2: 遮熱シートとの併用
遮熱塗料と遮熱シートを併用することで、遮熱効果を高めることができます。
遮熱シートは、窓や屋根に貼り付けることで、太陽光を反射し、室温の上昇を抑える効果があります。
遮熱シートには、様々な種類があり、窓ガラスに貼るタイプや、屋根に敷くタイプなどがあります。
窓ガラスに貼るタイプは、室内の温度上昇を抑える効果が高く、冷房効率を向上させる効果が期待できます。
屋根に敷くタイプは、屋根の表面温度の上昇を抑える効果が高く、屋根材の劣化を防ぐ効果も期待できます。
3: 定期的なメンテナンス
遮熱塗料は、定期的なメンテナンスを行うことで、長期間にわたって効果を発揮することができます。
メンテナンスには、洗浄、塗り直しなどがあります。
洗浄は、高圧洗浄機などを使って汚れを落とします。
塗り直しは、塗料が劣化してきた際に、新しい塗料を塗ることで、遮熱効果を回復させることができます。
まとめ
遮熱塗料は、夏の暑さを和らげ、冷房の使用量を減らす効果が期待できる省エネ対策の一つです。
しかし、遮熱塗料には、性能のばらつき、遮熱効果の低さ、断熱効果がない、塗り直しが必要、塗膜の汚れによる効果低減、価格が高いなど、いくつかのデメリットも存在します。
遮熱塗料の導入を検討する際には、これらのデメリットを理解した上で、性能の高い塗料を選び、遮熱シートとの併用、定期的なメンテナンスなど、効果を高めるための対策を講じることが重要です。